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コラム
2020/07/28
<リバースオークション戦略> 仕様は購買担当者の頭の中
いつもの発注 その「仕様」は明文化されていますか?
いつまでも「いつものあの紙袋」ではダメ
たとえば「紙袋」を買う場合「いつもの3社」ならば、「いつものあの紙袋を1,000部、来月までに届けてくれますか」といえば、内容(仕様)を暗黙の了解で伝えることができます。
しかし、新しい業者さんに見積依頼するときは、明確に仕様を伝える必要があります。
「いつものあの紙袋」といっても、それだけでは、どんな紙袋で、何色刷りで、紙袋のマチはどのくらいなのかわかりません。どのような配送条件なのか、どのような支払い条件なのかもわかりません。
もっといえば、ロゴは「ただ」で印刷してもらっているとか、いつも「ただ」で100部多く納品してもらっているとか、今まで業者さんがサービスでやってくれている範囲があるとすると、そのことも言っておかなければなりません。
新しい業者さんはこのサービスのことを知りませんから、後でそれを言われても対応できるように見積の積算にちょっと余裕を持たせなくてはならない、と考えるかもしれません。
これは、適正価格の見積には逆風となる話ですし、価格の流動性や市場の流動性には真逆に作用するものとなってしまいます。
では、このような購買の仕様に関する情報はどこにあるのでしょうか。実はそのほとんどの情報は、購買する「担当者の頭の中」にあるのです。
通常は、担当者の頭の中にある条件は「いつもの3社」ならばよく知っているので、あらためて十分に伝える必要はありません。しかし、市場の流動性を確保するために新しい業者さんに参加してもらった瞬間に、頭の中にある情報を新しい業者さんに伝えなくてはならなくなります。
暗黙知のままでは前に進めない
ところが、その内容を新たに伝えるということがとても難しいのです。難しいというよりも、間接材・非戦略購買の領域では、伝えるために人の工数をかけることが難しい、という表現が正しいと思います。それでも適正な購買をしようとするときに、「私の頭の中を見てください」ということでは済まないのです。
次回は仕様のこと「暗黙知を形式知に」についてお話します。
谷口健太郎 著 「リバースオークション戦略」東洋経済新報社 を要約
谷口健太郎 著書
「リバースオークション戦略」東洋経済新報社
「間接材購買戦略 〜会社のコストを利益に変える〜」東洋経済新報社この記事が「参考になった!」と思ったら、facebookまたはTwitterでぜひ
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