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コラム
2020/11/06
<リバースオークション戦略> 変動費のはずが固定費に?
見落とされがちな「変動費」内を見直してみる
「変動費」内の単価を見直す
会社が業務委託やアウトソーシングをする目的には、本来業務への経営資源の集中や組織のスリム化、外部の専門機能の活用などのほかに、経営の効率化を図る手段としての「固定費の変動費化」があります。
自社で人材を含めたリソース(経営資源)を使って業務を行うと固定費になってしまいます。その業務が必要でなくなったときや業務の縮小を考えた場合、人件費などの固定費は削減することが難しいものです。そこで、課題をタイムリーに解決する方法として業務委託やアウトソーシングが利用されているのです。
では、そうした変動費にあたる部分が、本当に本来狙っていた「変動費」となり財務的メリットを享受できているでしょうか?
実際には、本来狙った「変動費」ではなくなっているものが発生しています。
契約の中身を定期的に管理していないと、「変動費」だと思っていたものが、いつの間にか「固定費」になってしまうのです。
変動費、固定費といっても損益計算書の中では区別されないため隠れてしまうのですが、実は堂々と座布団を敷いてど真ん中に座っています。見えているようで見えていない「コスト削減の可能性」が鎮座しているのです。
では、変動費が固定費化するのはどんなケースでしょうか? 大きく分けると、次の2つです。
①業務委託契約など、期間を決めて契約をしている場合
②コピー機のカウンター料金・宅配便など、単価が最初の契約で決定しその後は、決められた単価に使用量や件数を掛け合わせて、自動的に請求される場合
①については、以前のコラムでお話ししたように「契約の中身を管理」していくことが必要です。
ここでは②について説明します。
コピー機のカウンター料金や宅配便は、見かけは、使った分だけ支払うものなので「変動費」そのものです。支払いをする合計金額は次のようになります。
支払い合計金額 = 単価 × 利用量
「利用量」が変動するので、「支払い合計金額」が変動費という概念になるのですが、この仕組みの中に定数があります。それが「単価」です。
この単価という概念は、固定費に近い概念だと私は思っています。つまり、変動費の中でも単価という固定費を管理していく必要があるということです。
見直しに聖域はない
「何を今さら」と思われるかもしれませんが、直接材・戦略購買の領域である「原価部分の購買」では、常に単価の見直しが行われています。
一方、間接材・非戦略購買の領域では、それをやっているケースが少ないのです。
その理由は、何度も繰り返して述べていますのでここではもう述べませんが、これをチェックすれば、コスト削減の可能性を見つけることができるのです。
谷口健太郎 著 「リバースオークション戦略」東洋経済新報社 を要約
谷口健太郎 著書
「リバースオークション戦略」東洋経済新報社
「間接材購買戦略 〜会社のコストを利益に変える〜」東洋経済新報社この記事が「参考になった!」と思ったら、facebookまたはTwitterでぜひ
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