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コラム
2018/10/02
今朝、販促費ゼロ円で8万人が動きました ~広告戦国時代~
ビジネスを継続させるために必要不可欠な売上。
売上を上げるためには自社の商品やサービスを知ってもらうことが必要です。
お客様に知ってもらう手っ取り早い手法が広告。
ビジネスの成否は広告費の使い方で決まると言っても過言ではありません。
しかし広告の手段は、ひと昔まえとは比べ物にならないほど多様化しています。
今日は売上に直結する販促/広告費のお話です。
◆その広告、本当に効果あるの?
マスコミ四媒体と呼ばれるテレビ、ラジオ、新聞、雑誌はもちろん、
看板やダイレクトメールに中吊りなど、世の中は広告にあふれています。
確かにこれらの広告を目にすることは多いのですが、
ふと振り返ってみて、いままで見たCMの数を覚えていますでしょうか?
今まで食べたパンの数よりも推定が難しいのではないでしょうか?
自分が見たCMの数すら見当がつかない広告。
広告主の立場からすると、
「いつ」「どんな人が見て」「どのくらい影響を受けたか」を把握するのは至難の業。
視聴率の調査会社などが情報を分析していますが、
それでも精緻なデータ取得は非常に困難。効果の定量化は永遠の課題です。
「効果がハッキリしない広告は無駄だ!」
会社で経費削減の話が出ると頻繁に出てくる意見です。
こう言われて泣く泣く広告費を削減した広報部の方も少なくないのではないでしょうか。
◆デジタルなら効果が見える!
効果測定が困難なマスコミ四媒体は今も昔も大きなシェアを持っていますが、
近年主流の1つに躍り出てきたのがネットを使ったデジタル広告。
その成長は右肩上がりで、
市場シェアは四大媒体のラジオ/雑誌/新聞を抜き、
テレビの広告費にも迫ろうかとしています。
その利点の一つが「効果が検証しやすい」こと。
「いつ」「何度見られて」「何回クリックされ」「その場で何個買われたか」まで、
すべてを数値化できるものも少なくありません。
デジタル技術の発展は、広告のありかたを変えたのです。
◆やり方次第で広告費すら不要な販促手段が到来
それだけではありません。
技術の革新は広告費が出せない小さい会社にもチャンスをもたらしました。
それまでは自社サイトを作ることも困難だった企業でも、
今ではFacebookやTwitterなど、SNSを使えばすぐに世界に情報発信ができます。
SNSの世界では、興味深い情報は時に爆発的な情報拡散を生みます。
例として、今朝のある投稿のパフォーマンスを見てみましょう。
(注:この文章は2018年10月1日の夕方に書いており下記データも同日の投稿のものです)
インプレッションとは「投稿が表示された回数」、
リツイートは「投稿がシェアされた回数」、
エンゲージメント総数とは画像のクリックなど「投稿を見てなんらかのアクションがされた回数」を表します。
広告費ゼロの投稿からわずか半日で延べ50万人に情報が伝わり、
延べ約8万人が詳細のチェックや情報拡散などのアクティブな行動を起こしたのです。
半日でこれなので、2日もあれば延べ100万人には伝わることでしょう。
“もっと伝わる投稿”であれば延べ1,000万人以上に届く可能性すらあります。
尖った製品やサービスがあれば、
見せ方次第で広告費なしでも情報を広く伝えられる時代なのです。
◆これからの販促はネットがすべて?!
ではネット広告やSNSの活用に注力するのが正しいのでしょうか?
ここで見落とされがちなのが「情報を届けられる範囲」です。
確かにネットを使った販促活動は拡大の一途をたどっているし効果測定も容易。
費用対効果も高いものが次々と出ています。
しかしネット上の媒体の多くは「規模」が小さいのです。
先のSNS投稿のパフォーマンスを見てみましょう。
確かに人件費だけで50万人に情報を届けられれば費用対効果は最高クラスです。
しかし、情報をそこまで上手く拡散するのは簡単なことではありません。
そもそも全国的に知ってもらいたい飲食品の広告をする場合、
50万人では桁が2~3個足りませんよね。相当成功した事例ですら全国展開には力不足なのです。
その点、テレビを中心とした四大媒体が持つリーチ力は依然として圧倒的なものがあります。
明らかにネット広告との親和性が高いスマホアプリのCMがテレビでバンバン流れているのは、
昔からある広告の強みを象徴しています。
リーチ力の他にも、
信頼度が高かったり圧倒的な支持をする特定の層を持っていたり、
媒体それぞれが独自の強みを持っています。
デジタル販促が増えてきたからと言って今までの広告媒体が無価値になる訳ではなく、
むしろ各媒体はデジタルの活用によって新たな価値も産みはじめています。
デジタルか否かではなく「心を動かす広告/販促」とは何なのか。
技術革新の把握が必要な一方で、
お客様の気持ちに向き合い続けなくてはいけない時代なのかもしれません。
◆まとめ
・ネットメディアの広告は右肩上がり
・四大媒体に匹敵する規模に
・しかし昔からの広告媒体は今も有効
・デジタル技術の革新を注視しつつもお客様に向き合うことが大事