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コラム
2020/12/10
購買の「納得感」はどのように醸成されるのか?
購買の納得感とは?
良い購買とは?
購買の目的はコスト削減だけではなく、適正価格の取得にあります。
その上で、「良い購買」を定義すると『どのような状況においても、必要とするサービスレベルに合った適正価格を取得し続けること。サービスレベルと価格とのトレードオフを常に正しいバランスにしておくこと』となります。
更に、「良い購買」というものは、人それぞれのものさしで判断されているため「納得感のある購買」「納得感のある価格の取得」という言葉にも言い換えられます。購買担当者はそれぞれの価値観によって、自身が「納得」できる購買の方法を持っています。
その方法は世の中のベンチマークと比較して価格の「納得感」を得たり、比較購買で取得した価格で「納得感」を得たり、購買のプロとして情報の格差をなくして原価の積み上げをし「プロとしての納得感」を得たりなど、本当に様々です。個人の購買の納得感とは?
ここで、個人の購買に焦点を当ててみましょう。
たとえば皆さんが自分が欲しいと思っていテレビを買う時を考えてみてください。(大きさが50インチで、ネットワークに接続できて、4K対応、録画機能が内蔵されている など)
私が購入するときは、まず「価格.com」で自分の購入したい機能(仕様)について色々なメーカーの個々のブランドで、かつ様々な店舗の価格を調べます。
これは、自分が欲しいレベルのテレビは、どのくらいの価格帯で売られているのか知りたいからです。もちろん「価格.com」の中での最安値も必ず確認します。
また、複数の情報ソースの価格も知っておく方が、より自分の持っている情報の信頼度を上げることになるので「Amazon」など他のサイトでも調べるようにしています。その上で、今度は量販店に行って実際の商品を見て、店員さんにインターネット上の情報だけでは分からないことを質問したり、価格交渉をして、サービスや保証等を確認します。最終的に実店舗の価格がインターネットに出ている価格よりも少し高かったとしても、ポイントをもらったり、おまけをつけてもらったりしながら、トータルで判断してお店で購入するというような「プロセス」を踏みます。
量販店での価格がこれまでに探した一番の安値でなくても、ここまでの「プロセス」を踏めば、自分の購買に対して「納得感」と「自信」を持てるのではないでしょうか。この「納得感」は、「プロセス」を通じてできるのだと感じています。
企業での購買の納得感の醸成とは?
では企業の中での購買における「納得感」というものは、どのようなものなのでしょうか?
稟議書のことを考えてみましょう。
組織のプロセスとして、形式的に判子を押しているという方々も少なくないでしょうし、稟議書に書かれている金額に対し自信を持って承認している人は、ほとんどいらっしゃらないと思っています。
とはいえそのような状況の中で、決裁者に稟議書の金額に「納得感」を持ってもらうのが、購買の担当者の最大の役割かと思います。
購買する「もの」や「サービス」のコストだけでなく、サービスレベルも含めて合致していると「納得感」が得られるのだと思います。
では、稟議決裁者に「自信」と「納得感」を持って決裁してもらうために、部下を信頼するということだけではなく、個人でテレビを買うときと同じように一連の購買プロセスを行った事を共有できていたらどうでしょうか。
稟議書の記載価格が世の中の最安値であるかについて、決裁者は自信を持てないながらも、希望のサービスレベルや品質において、おおよそ今の市場価格であろうという決裁する上での「納得感」の醸成になるのではないでしょうか。
その「納得感」さえあれば、最安値でなくとも決裁者は「自信」と「納得感」を持って稟議の決裁ができるはずです。
つまりは、購買の「納得感」の醸成をするのは、購買のプロセスをやりきって、プロセスを残して共有していくことなのです。
谷口健太郎 著 「間接材購買戦略-会社のコストを利益に変える」東洋経済新報社 を要約
谷口健太郎 著書
「リバースオークション戦略」東洋経済新報社
「間接材購買戦略 〜会社のコストを利益に変える〜」東洋経済新報社この記事が「参考になった!」と思ったら、facebookまたはTwitterでぜひ
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