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コラム
2020/12/19
購買の“納得感醸成”に必要なものとは?
良い購買をするには、「適正価格」を取得し、最終的に「納得感」を購買する担当者自身もしくはその購買を決裁承認する人に与えることとお話をしてきました。
そしてその「納得感」の醸成には購買業務の正しいプロセスを行うだけではなく、購買プロセスの中の見積取得プロセスを「見える化」することも「納得感」の醸成には必要になってきます。
ちなみに見積取得プロセスは、
- 候補となる業者さんを選定する
- 仕様の内容検討する
- 見積依頼先を決定する
- 見積書の取得先をチェックする
- その結果から仕様の再検討と再見積依頼を実施する
- 最終的に見積を受け取っている業者から契約先を決定する
という一連の業務の流れとなります。
見積取得のプロセスを「見える化」する
会社組織では個人の「納得感」だけでなく、購買というミッションの結果がどうであったかをレポートすることが求められます。
このレポートや報告は単なる結果だけではなく、その「プロセス」についてもレポートすることが、組織の中で「納得感」を持ってもらうために非常に重要です。
このレポートや報告が、いわゆる見積取得プロセスの「見える化」にあたります。
「見える化」による三つの効用
組織の中で、報告という行為を「仕組み」として「自然に共有」できるようになるのが「見える化」と考えます。
そして「見える化」することで、以下三つの効用が企業や会社組織の中で生まれてきます。
- 色々な情報の共有が自然にできていくこと
- 透明性が確保されること
- その透明性によって、企業や会社といった組織の中に自然の浄化作用や進化の作用が生まれてくること
効用の具体的説明
「見える化」による三つの効用「共有」「透明性」「自己浄化・進化」について、購買という業務に当てはめて考えてみましょう。
まず「共有」ですがこれは言うまでもなく、情報やノウハウを「見える化」することで、オープンにするだけで共有されるメリットがあります。
次に「透明性」、これは「結果」だけでなく「プロセス」を「見える化」することによって、購買という行為に対しての公平性の確保ができます。
最後に「自己浄化・進化」は、見積取得プロセスを「見える化」することで、購買担当者自身が正しい購買をしなくてはならないという「抑止力」が働くようになります。
つまり、組織全体に対して自然にプロセスがチェックがされ、抑止力が続き、組織の「自己浄化・進化」が進むことになるのです。
購買の納得感醸成には見積取得プロセスの「見える化」が必要
見積取得プロセスを整理したり文書として記録しておくと過程が一目瞭然になります。
今まで曖昧であった部分や不透明だった部分が浮き彫りになることで、見直しの必要性が出てきたり、見積依頼をする際の業者選定基準ルールをより明確にした方がよいなど、改善したい部分がみえてくることもあります。
より良い方向に修正して進化することが可能となり、納得感の醸成がしやすくなるのです。
谷口健太郎 著 「間接材購買戦略-会社のコストを利益に変える」東洋経済新報社 を要約
谷口健太郎 著書
「リバースオークション戦略」東洋経済新報社
「間接材購買戦略 〜会社のコストを利益に変える〜」東洋経済新報社この記事が「参考になった!」と思ったら、facebookまたはTwitterでぜひ“シェア”をお願いします。