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コラム
2021/01/09
適正な相見積 必ずおさえておきたい事!
比較購買のプロセス
一般的で使用頻度が高い「相見積」という手法
この「相見積」ですが “見積合わせ” や、“競争見積” と表現されることもあります。
いまさらという感もありますが、この機会にあらためて「相見積」について紐解いておきたいと思います。
まずは、簡単に「相見積」の流れをみてみましょう。
①仕様書作成:
購買したい“もの” “サービス”で、自分が何を達成したいかを販売業者に伝える仕様書を作成する
②業者選定:
適正な価格の取得、品質やサービスレベルが担保できる、適正な販売業者を選定する
③見積依頼:
①の仕様書を基に、②で選定した販売業者に見積依頼をする
④質疑応答:
販売業者が見積を積算する際に出る疑問に対して、丁寧に答える
質疑の内容及び買い手側からの回答は全ての販売業者(売り手企業)に共有する
⑤見積取得:
質疑や提案プロセスののち、見積を販売業者から取得する
取得した見積価格を比較しながら、再見積を繰り返す
⑥依頼先決定:
最終的に納得感のある価格「このぐらいで」を取得できたタイミングで、販売業者を決定する
以上の①~⑥が一般的な相見積のプロセスです。
特に④の質疑の時に、それぞれの販売業者から買い手の意図を汲んだ仕様とは異なる、別な「方法」、別の「もの」や「サービス」を提案された場合にもしっかり検討し丁寧に対応していく必要があります。
販売業者からの提案に対し弾力性を持って取り組むことで、買い手側がまったく知らなかった業界の新しい知識や技術を手に入れられたり、満足のいく良い購買ができるようになるのです。
ここで面白いと思うことは、最終的に販売業者を選定するときの「このぐらいで」という納得できる価格を決めるところです。買い手側にとって「このぐらいで」を決定することが一番頭が痛く、難しいことなのです。
たとえば、3回再見積を繰り返して、ある程度の金額が出てきている状態で、あともう1回再見積を販売業者にお願いするのか、もう3回もやっていて販売業者に申し訳ないのでここで決めようとか、いろいろなことが頭をめぐってくると思います。
株式市場や為替市場のように「見えざる手」が働き、この相見積の最終価格が決定します。ただ、この最終価格は世の中の市場の最安値ではなく、「相見積での最安値」となります。
このように、相見積をどこまでやるかが決めづらいということもあり、私たちの中では、リバースオークション※のエンジンを、入札ではなく相見積を取得する手段として使う場合もあります。
これは、相見積の良さとリバースオークションの良さを掛け合わせて、いいとこ取りをしているとても有効な「相見積」取得の方法と言ってもいいかもしれません。
※リバースオークションについては「書籍:間接材購買戦略-会社のコストを利益に変える-(東洋経済新報社)」にて、相見積との比較についてわかり易く解説しています。
谷口健太郎 著 「間接材購買戦略-会社のコストを利益に変える」東洋経済新報社 を要約
谷口健太郎 著書
「リバースオークション戦略」東洋経済新報社
「間接材購買戦略 〜会社のコストを利益に変える〜」東洋経済新報社この記事が「参考になった!」と思ったら、facebookまたはTwitterでぜひ
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