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コラム
2021/01/23
専門性の有無が最重要ではない! 危ないインソースとアウトソースの考え方
“アウトソース”と“インソース”は最初にコア業務とノンコア業務で分ける
危ないインソース(内製化)とアウトソース(外注)の考え方
私が考える、経営として危ない“アウトソース”と“インソース”の考え方は、専門性のあるなしという「ものさし」を、コア業務とノンコア業務という「ものさし」よりも優先して使うことです。
専門性が必要だから、ノンコア業務もインソースで行うという判断は危ういのです。
アウトソース、インソースを考えるときに、まずは、コア業務とノンコア業務で分けて、基本「コア業務をインソース」で行い「ノンコア業務をアウトソース」で行います。ノンコア業務は専門性があっても最初の判断通りアウトソースすべきです。
ただし、ノンコア業務でもプロセス管理や情報管理など、「戦略性」が少しでもあるものは例外的にインソースで行うべきだと考えます。
コア業務は、基本インソースということがベースにあるのですが、標準化できるものがある場合は部分的にアウトソースしても良いかも知れません。
いずれにしても、大事なことは、専門性のあるなしを優先してアウトソース、インソースの分類をすると間違いが起こる可能性があるということです。
アウトソースを事例で考えてみる
製薬会社を例に考えてみましょう。
製薬会社で「新薬を開発」する業務は、経営としてど真ん中の戦略的業務であり、コア業務となります。
競合他社との競争や情報管理の観点からも、この業務をアウトソースすることは、考えられない選択肢でしょう。
ただし、新薬を開発していくプロセスの中には、新薬ができて実際の販売に至るまでの間に、「国の認可を取るために治験でデータを取り続けるようなプロセス」があります。医薬という専門性はあるのですが、業務としては標準化できるプロセスもあります。
このような業務は会社の中に専門家を置くよりも、アウトソースしていくべきです。そして新薬の開発研究に専門家のリソースを配分していくというのが、正しい判断ではないかと思います。
実際に、アメリカでも日本でもこのような部分のアウトソースを受けて伸びている会社が存在します。
標準化できる業務は、専門家であってもアウトソースを使っていくということが重要となります。
専門家を雇うメリットとデメリット
ノンコア業務で「専門性の高いもの」はどうするの良いでしょうか?
ノンコア業務や非戦略性の業務の中で、専門性のある社員を雇ったときのデメリットとはどんなものでしょうか。
それは、本当に期待通りの専門性を持っているかが実際に仕事をしないと分からないという点にあります。
コア業務や戦略的業務であれば、素養のある専門家を、たとえ期待通りではなかったとしても雇用した後に時間をかけて教育する「投資」も可能です。
しかし、ノンコア業務や非戦略的業務の中で雇った人の専門性が期待通りでなかった場合、投資をして時間をかけて教育をすることが、リターンの観点から得策とは言い難いのです。
次回は間接材と専門性の関係性について具体的にお話しいたします。
谷口健太郎 著 「間接材購買戦略-会社のコストを利益に変える」東洋経済新報社 を要約
谷口健太郎 著書
「リバースオークション戦略」東洋経済新報社
「間接材購買戦略 〜会社のコストを利益に変える〜」東洋経済新報社この記事が「参考になった!」と思ったら、facebookまたはTwitterでぜひ
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